2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

一切とは

相応部経典に『一切』が説かれたものがあります。 「それは、眼と眼に見えるもの、耳と耳に聞こえるもの、鼻と鼻ににおうもの、舌と舌に味わわれるもの、身体と身体に接触されるもの、心と心の作用、のことです。これが『一切』と呼ばれるものである。」(SN…

本当の『縁起』の意味

『縁起』ほど、歴史上の仏陀が使っていた意味とかけ離れた使い方をされている言葉は少ないでしょう。 縁起とは、それに縁って起こるもの、つまり原因のことです。 スッタニパータにこうあります。 650 生まれによってバラモンとなるのではない。生まれによっ…

大乗仏教はなぜ興ったのか

大乗仏教はなぜ興ったのか、これは仏教史上、最大の謎です。 かつての私のように、大乗仏教の国で生まれ育った人のほとんどは、あまり気にもかけないこと、謎とも思えないことでしょうけど。 これを謎と思える人は仏教史に非常に詳しい人を除くとまずいない…

筏の喩え、蛇の喩えの意味

石飛先生が、マニカナで次のように書かれていました。私の名前が出ていることもあり、これにつき、コメントします。 ↓↓↓ ※※※※※ 私は、この「蛇喩経」について、ふつうの解釈よりもっと非常に厳しいことが言われているのではないかと思っています。以前、ショ…

『天上天下唯我独尊』の本当の意味

『天上天下唯我独尊』と言う言葉は、仏陀が成道してから初めて遇ったウパカに対して答えたときの偈から来ています。【われは一切勝者、一切知者である。一切の法のために縛せられず、すべてを捨てて、渇愛尽きて解脱した。みずから覚りて誰をか師といおう。…

中心を消滅させる理法

さて、どのような宗教であれ、その教義や体験が自我に取り込まれより強固な自我を形成することを見てきました。 私が言う『自我』とは、『私という中心がある』『守るべき中心がある』という思い込みのことです。 なぜそれがあるといけないのでしょう。 無量…

なぜ宗教は人を腐らせるのか

ネットでもリアルでも、ずっと感じていたことがあり、それは宗教をするとかえって人が悪くなることが多いということです。 ヤフー掲示板では、私は、株式板や映画板にいました。株の世界などは大金をやり取りする戦争であり魑魅魍魎が跋扈しているイメージが…

如来は大海のようなもの

中部経典『火ヴァッチャ経』には、十無記について説かれています。 また、それに関連して、ヴァッチャ遍歴行者は、仏陀に『心が解脱している比丘はどこに生まれかわるのでしょうか?』と聞きます。 仏陀は答えます。 如来について述べようとする場合、色によ…

誰にも依らず仏陀の言葉に向き合う

たき (153.193.67.30) 2021-09-14 20:31:19 確かにそうですね。寺などに行ってちゃんと対話してみたいと思います。 しかし、仏教の教義についてここまで詳しく書いてくれるブログは本当にありがたいです。 私の中の多くの疑問に答えが出たのも事実です。 こ…

tathagata とは

有名な毒矢の喩えが出てくる仏典が『小マールキヤ経』です。 そこで『十無記』も出てきます。 その中の4つは、tathagata が死後も存在するかどうかという問いです。 tathagata は死後存続する tathagata は死後存在しない tathagata は死後存在し、また存在…

こういう考えをする者がいるというだけです

たき (153.193.67.30) 2021-09-12 12:38:00 丁寧にありがとうございます。無記に失礼しました。 有であれ無であれ認識それが記憶の束になり、自己同化が成されるという認識であっているのでしょうか? しかしそれではどちらでもない、無記という認識もまた記…

業=kamma とは、思い

業=kamma とは、身・口・意の行為 のことです。 身・口・意の3つの業を、それぞれ、身業、口業、意業と言います。 この3つの業は、思業と思已業に分けられます。 思業とは思いが内にあって外に現われてないものであり、意業のことです。 思已業とは、思い…

無記は無ではない

たき (153.193.67.30) 2021-09-10 13:50:05 >自我の洞察、自我の成り立ちを洞察することなしには、自我の滅はあり得ないのです。 自我の滅とは、『私という中心がある』という思い込みを滅することです。 『私という中心がある』という思い込みを滅するには…

肉体が美しいという幻想

くり (58.188.137.2) 2021-09-07 21:55:16 ショーシャンクさま こんばんは。 ショーシャンクさまのmoha(痴・迷妄)に関するお話、恐ろしくお聞きしました。 身の毛もよだつていう感じですが、仰るようにこれがわたしたちの住んでいる現実社会の姿ですよね。…

moha(痴・迷妄)の怖ろしさ

くり (58.189.38.141) 2021-09-05 21:39:43 ショーシャンクさま こんばんは。 >ragaに対しては、四諦、つまり苦を見ることが最も効果があるように思えます。 >愛着する対象に縛られることが苦であると本当に見たときに、依存から脱することができます。 こ…

今の仏教にないもの

たき (153.193.67.30) 2021-09-05 08:00:43 ありがとうございます! 大変勉強になります。 最近法事がありお坊さんとお話しする機会がありました。 彼は海外に行ってボランティアをしたり、児童養護施設のようなものを作っていると言ってました。 それは良い…

不善の法と善法

くり (58.188.173.251) 2021-09-04 19:43:57 たきさまの質問と、ショーシャンクさまのお答えに感謝申し上げます。頭の中がスッキリしました!! くりさん、おはようございます。 不善の法の捨離は、仏陀の教えの最初に来るものです。 それでは、善法とは何で…

禅の話

とある禅愛好者 (182.165.187.188) 2021-09-03 08:56:07 >禅愛好者とのことですが、それであれば、数多くの禅者を近くで見ることも多いでしょう。 >はっきりいって『あれ?』と思うようなことはありませんか? >普通の人より人格が低劣だな、とか。 私は…

不善の法

たき (153.193.67.30) 2021-09-03 08:57:54 不善の法とはなんでしょうか? 不善の法とは、kamma=身口意の行為 のうち、智慧を弱め、心を縛り、蓋をして解脱涅槃という自由な境地から離れさせる、そして後に苦果をもたらすもの、ということです。 貪・瞋・痴…

気をつけたいこと

最近の事件、硫酸事件や東京の女子高生殺人事件などを見ると、これからはますます気をつけなくてはいけない時代に日本は入ってきたな、という感想です。 2年前から言っていることですが、これから日本の凋落が鮮明になってきます。 水素立国になるという復…

自我の膨張

とある禅愛好者 (182.165.187.188) 2021-09-01 20:52:14 座禅における神秘体験は、魔境といって切り捨てるものと聞いています。 神仏と会ったというのは妄想なんだそうです。 しかし名僧・高僧の悟り体験を読むと、悟り体験は凄いものだという話が多いように…

労働禁止の理由

>>農作業が修行であると考えるのが、禅では? >>だから禅では、農業に専念できるはずです。 これは百丈から始まった考えです。 それまでは、仏陀の戒律を守っていたために、出家者は農作業はしませんでした。 農作業を座禅修行をしないときに作務として…

菜食はジャイナ教から

>>もっとも、ある意味では釈尊もいい加減だったので、厳格に考える必要はないと思っています。 >>肉は、自分のために殺したのがわかっていれば受け取らないし食べないというのだったでしょうか? 道元の寄進もそんな感じかもしれません。 釈尊がいい加減…

首座が喜んだ理由

とある禅愛好者 (182.165.187.188) 2021-09-01 20:09:57 比丘の 労働に関する考察 井 上 綾 瀬 https://www.jstage.jst.go.jp/article/ibk/62/2/62_KJ00009296628/_pdf/-char/en 上記の流し読みですが、報酬を得る労働は原則禁止だったんですね。 知りません…

史実なら

みのり (118.1.16.135) 2021-09-01 18:35:49 ショーシャンクさん、こんにちは。 コメント失礼します。 >道元の玄明追放の逸話が、道元を貶すために作られたでっち上げの可能性を思われたのでしょう。 石飛先生がどう思われているか、は私には分かりかねます…

瞑想と人格

ずっと前に、道元の玄明追放について触れたのは(今回その記事を誰かが蒸し返してきましたが)、自分だけの金儲けに奔走している人たちより、宗教に関わっている人たちの方が人格が悪いことが多いからです。 前にも書きましたように、ヤフー掲示板でもそうで…