2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

中部経典『小獅子吼経』

中部経典の第11は、『小獅子吼経』です。 獅子吼とは、註に、最上の咆哮、無畏の咆哮、無敵の咆哮のこととあります。 仏陀のサンガにこそ、沙門、第二の沙門、第三の沙門、第四の沙門がいて、他の異教にはそのような沙門を欠いている、と獅子吼しなさい、…

七菩提分

マニカナで、石飛先生が、『阿弥陀経』の中の、 またさらに舎利弗よ、かの仏の国土には、常に、見事で彩り豊かな様々な鳥がいる。白鵠・孔雀・鸚鵡・舎利、迦陵頻伽・共命の鳥などである。これらの鳥は、一日に六回、美しく優雅な声でさえずることで、 五根…

中部経典『念処経』

中部経典の第10は、『念処経』です。 念処経については、すでに書いているものがありますので、それを再び載せます。 ⬇ 中部経典『念処経』も 長部経典『大念処経』も、 四念処について説かれています。 内容はほとんど同じです。 四念処の、身⇒受⇒心⇒法 …

中部経典『正見経』

中部経典の第9は『正見経』です。 この経典は、『正見』について、真正面から説き明かしたものです。 正見のある者になるにはどうしたらいいのか、という問いかけに対する答えです。 1,善・不善の法を知ること 2,四食を知ること 3,四諦を知ること 4,…

中部経典『削減経』

中部経典の第8は『削減経』です。 削減とは変わった題名ですが、ここでいう削減(sallekha)とは、煩悩を正しくすべて削るという意味です。 さて、この経典も見落としがちですが、非常に重要なことを含んでいます。 まず、我説(色を我と見るなど)や世界説…

中部経典『布経』

中部経典の第7は『布経』です。 『布喩経』とも言います。 これは前に解説しましたので、その文を載せます。 中部経典『布喩経』には、歴史上の仏陀の教説を理解するために非常に重要な鍵が多くあるように思えます。 特に、三宝や五根・五力、七覚支、そし…

中部経典『希望経』

中部経典の第6は、『希望経』です。 『希望』という仏教にはあまり出ない言葉で語られます。 どのような希望でしょうか。 『尊敬される者になりたい』『衣や食や臥坐所や医薬品を得るものになりたい』『親族や死者たちに大きな功徳があってほしい』『恐怖を…

中部経典『無垢経』

中部経典の第5は『無垢経』です。 世界には、4種類の人がいると説きます。 1,垢があっても、〈私には内に垢がある〉と如実に知ることのない人 2,垢があっても、〈私には内に垢がある〉と如実に知る人 3,無垢であっても、〈私には内に垢がない〉と如…

中部経典『恐怖経』

中部経典の第4は『恐怖経』です。 この『恐怖経』は、仏陀が悟りに至ったときのことが詳しく出ています。 つまり 〈五蓋などの不善の法を取り除く〉⇒〈四禅定〉⇒〈三明〉 です。 この過程は非常に重要なので、この経典以外にも5つか6つくらいの経典で言及…

中部経典『法相続経』

中部経典の第3は、『法相続経』です。 この経典は、 『わたしの法の相続者になりなさい。財の相続者になってはいけません。』という言葉で有名です。 そして、この言葉の後に、このような例を挙げます。 仏陀が供養された食事を食べ、満腹になった。 しかし…

中部経典『一切煩悩経』

さて、中部経典2番目の『一切煩悩経』です。 この経典は、非常に重要です。 仏陀は、こう言います。 『あらゆる煩悩を防止する法門を説きます。』 そして、『私は、知る者に、見る者に、もろもろの煩悩の滅尽を説きます。知らない者に、見ない者に、ではあ…

唯識が役に立つかもしれません

山下 (112.71.51.11) 2021-03-19 12:29:47 すみません 仏教の教えについては殆ど解っていないものです よろしくお願いします。 「縁起を見る者」について読ませて頂きました。 こんな例はどう考えるのか思案していましたが解らず質問として書き込ませて頂き…

中部経典『根本法門経』

自費出版の原稿を書くための備忘録として、いろいろな原始仏典の大まかな内容を書き留めておこうと思います。 まずは、中部経典から。 中部経典は、全部で152経あります。 最初の50経を根本五十経といいます。 その最初、『根本法門経』から。 根本法門…

縁起を見る者

スッタニパータにこうあります。 650 生まれによって(バラモン)となるのではない。生まれによって(バラモンならざる者)となるのでもない。行為によって(バラモン)なのである。行為によって(バラモンならざる者)なのである。651 行為によって農夫とな…

涅槃は虚妄ならざるもの

スッタニパータにこうあります。 757 過ぎ去るものは虚妄なるものである。 758 nibbana(涅槃)は虚妄ならざるものである。 歴史上の仏陀は、仏や如来は死後も存続するのか、つまり仏や如来に実体があるのか、という質問には無記(答えない)としまし…

『念処経』『大念処経』

中部経典『念処経』も 長部経典『大念処経』も、 四念処について説かれています。 内容はほとんど同じです。 四念処の、身⇒受⇒心⇒法 で、 身の随観では、 出息・入息の部 威儀の部 正知の部 厭逆観察の部 要素観察の部 九墓地の部 が説かれ 受は、受の随観の…

『念処経』に見る一乗道

中部経典『念処経』にこうあります。 『この道は、もろもろの生けるものが清まり、愁いと悲しみを乗り越え、苦しみと憂いが消え、正理を得、涅槃を目の当たり見るための一道です。それは四念処です。』 ここは、長部経典『大念処経』も全く同じです。 ekayan…

brahmavihara

仏陀の在世時には、brahmanは、インドの共通認識として、存在の根源、宇宙の根源、創造神、究極のものを意味しました。brahmanを人格神としてとらえるときは最高神でした。 しかし、仏陀の死後、後世になって神(天)のランク付けが詳細に行なわれるようにな…

原始仏教と大乗仏教

これも、ヤフー掲示板時代のヤフー掲示板での投稿です。 ↓↓↓ 相応部経典第2集因縁篇 第7篇 ラーフラの集成 第1節 眼 『ラーフラよ、あなたはこれをどう思うか。眼は常住であるか、無常であるか。』 『師よ、無常です。』 『では、無常であるものは苦であ…

人間の真実

これは、ヤフー掲示板が終了する間際(2018年12月末)のヤフー掲示板での投稿です。 ⇓⇓⇓ hanaさん、こんにちは。 覚えていますよ。このスレッドが荒らされていたときに、ご自分のスレッドも心無い人に荒らされて嫌な思いをされたと言われた方ですね。 …

輪廻転生とは

仏陀が説いたことは非常に明快です。 人間は五蘊を我と思い、迷いの自我観念、行為の中心者、を形成している。 死んだ後は、善なる行為をしたものは天界に行き悪い行為ばかりしたものは地獄などの悪い境涯に行く。また、再びこの世に戻ってくる。(輪廻転生…

梵天勧請

仏典によく出てくる神に梵天があります。 梵天とは、Brahma で、宇宙の根源、存在の根源たる根本原理のブラフマンが擬人化された、ヴェーダ後期を代表する男性の最高神です。最初期のウパニシャッドの時代には、すでに万物の創造主とされていました。 それが…

七覚支の『捨』

相応部経典第3篇「四つの専念の確立」に関する集成第1章第10節にこうありました。 『四つの専念の確立(四念処)に心をつなぎとめている者には、前後の広大な階梯についての知識が期待される。』として 『身体において、身体を観察しているが、対象とし…

中部経典『布喩経』

中部経典『布喩経』には、歴史上の仏陀の教説を理解するために非常に重要な鍵が多くあるように思えます。 特に、三宝や五根・五力、七覚支、そして四無量心の関係が解読できるので、本当に貴重な経だと思います。 五根・五力は 信⇒精進⇒念⇒定⇒慧 です。 いわ…

四念処

『涅槃へ至る一乗道』と歴史上の仏陀が言った四念処について、今の時点での私の解釈を書きます。あくまでも私独自の解釈ですので、全く間違っている可能性も高いですが、今思っているところまで書いておきます。私は、四念処観とは、身・受・心・法において…

八正道

相応部経典45.1『無明』にこうあります。 比丘たちよ、 無明がまずあって、もろもろの悪不善の法が生じ さらに無慚無愧がこれに従うのである。 比丘たちよ、 無明に従う無智者において邪見は生じる。 邪見によって邪思が生じる。邪思によって邪語が生じ…

三十七菩提分法

これから、今までこのブログで書き溜めてきた文章の中で、原稿に採用できそうなものをまとめていきたいと思います。 順次、加筆訂正していきながら、自分の中の考えもまとめていきたいと思います。 まず、三十七菩提分法から。 ↓↓↓ 四念処・四正勤・四神足・…

自費出版は甘くないですが

koboyuki (133.106.189.111) 2021-03-04 07:09:58 ショ-シャンクさん、おはようございます。 とうとう執筆決意されたのですね! おっしゃる通り一寸先は闇です。 御自身の事業も大変でしょうが、会社も自費出版もうまくいくように、祈っております。 待ち遠…