2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

何故インドで仏教は滅びたのか

インドで発祥した仏教ですが、発祥の地インドではいったん仏教は滅んでいます。 現代になって日本人僧侶がカースト下位の人たちのために仏教を布教し仏教徒は少しずつ増えているようですが、やはりヒンドゥー教徒がほとんどで仏教徒はごく少数(1%未満)に…

出版業界について

本の価値とはどういうものでしょうか。 映画業界を喩えとしてみます。 現在、映画で名作と言われる作品は、制作費や広告宣伝費を膨大にかけたメガヒット作品にはほとんどありません。 例えば、今でこそ、名作中の名作と言われる『ショーシャンクの空に』です…

宗教知識でマウントする愚かさ

マニカナでミチオという者がデタラメを書いていますね。 私が、『自分の隣に証券会社の社長がいる』という投稿をして、金持ちアピールしたとのこと。 全くの嘘です。 証券会社の社長でも支店長でもただの営業マンでも、来ているとか、商談しているとか、一度…

『仏陀の真意』第2章「仏陀の言葉の本当の意味」第13項『戒律』

【戒律】 最初期の仏教においては、戒律はたったひとつだけでした。 少なくとも、仏陀の弟子が1250人を超えるまでは、具足戒はひとつでした。 舎利弗と目連が250人を引き連れてやってきて弟子入りしたときも、仏陀に『尊いお方よ、私たちは幸あるお方…

『仏陀の真意』第2章「仏陀の言葉の本当の意味」第12項『天上天下唯我独尊』

【天上天下唯我独尊】 仏陀は生まれてすぐに七歩歩いて『天上天下唯我独尊』と言ったという伝説があります。 『天上天下唯我独尊』の意味は、長らく仏教者が悩む原因となりました。 生まれて初めて口にした言葉とされ、しかし、その意味通りに解釈すると『こ…

『仏陀の真意』第2章「仏陀の言葉の本当の意味」第9項『中道』

【中道】 初転法輪のときに、苦行の道でもなく快楽の道でもなく、中道を行く、と説かれます。このことから、中道とは、苦行と快楽の中間の道のことだと思う人が多いです。極端な禁欲生活でもなく、極端な快楽耽溺でもない、その中間のほどほど禁欲、ほどほど…

『仏陀の真意』第2章「仏陀の言葉の本当の意味」第6項『煩悩』

【煩悩】 一般的には、煩悩とは欲望のことだと思われています。 欲望をなるべく少なくしていくこと、足るを知るということが煩悩をなくしていくことだと言う人は多いです。 ところが本能も欲望です。食欲を否定すると死んでしまいますし、性欲を否定すると人…

『仏陀の真意』第2章「仏陀の言葉の本当の意味」第5項『空』

【空】 今の仏教の根本教理と見なされ最も重要視されている【空】ですが、実は、歴史上の仏陀はあまり説いていません。 最古層の仏典『スッタニパータ』で【空】が説かれているのは 【つねによく気をつけ、自我に固執する見解をうち破って、世界を空なりと観…

『仏陀の真意』第2章「仏陀の言葉の本当の意味」第4項『縁起』

【縁起】 現代の日本で『縁起』と言えば、宗派を超えて、次のような意味に解され、説かれることが多いです。 『私たちは自分以外の無数の存在に生かされている。だから自分なんてない。家族や会社や近所の人たちは当然だけど、今食べている米や野菜を作って…

枯渇している人には

マニカナで、凡人さんという私は初めてお見かけした人が、私の著書『仏陀の真意』を紹介してくださっています。 もちろん、とても有り難いことなのですけど、実は私は、実社会でも、自分が仏教の本を出版したことはほとんど言っていません。 仏教に興味のな…

在庫切れについて

いま、私の著書『仏陀の真意』が、Amazonにて在庫切れとなって1週間以上経っており、ご質問のメールをいくつかいただいております。 出版社に問い合わせたところ、6月28日には、Amazonにも在庫がある状態になるとのことです。 現在、Amazonを見ると、中…

十二縁起は解明されてこなかった

十二縁起の話題が出たので、手元の仏教解説書などを無作為に見てみると、驚くことにほとんど十二縁起を解説したものがないですね。 田上太秀『仏教の真実』、植木雅俊『仏教、本当の教え』、中村元他『ブッダの人と思想』、ワールポラ・ラーフラ『ブッダが説…

十二縁起の真実

たま (153.242.203.5) 2023-06-20 19:09:48 とても参考になるブログです ありがとう御座います たまさん、はじめまして、ですかね? コメント、ありがとうございます。 十二縁起につき補足しますと、 Aがあれば Bがあり Aが生じるが故に Bが生じる Aが…

十二縁起とは

id:Nirala 2023-06-19 19:49:42 ショーシャンク様はじめまして、niralaといいます。 今日、心解脱、慧解脱をググっていて此方のblogへたどり着きました。 ショーシャンク様は、相当な努力をされ学ばれたんだと思われます、 そのような方のblogを読ませていた…

大乗仏教側の主張について

仏教は、古くから、大乗仏教側からの『小乗仏教蔑視』と部派仏教からの『大乗非仏説』という構図で対立してきました。 近年は、文献学の発展により、どの仏典がより古層かということが明らかになってきており、原始仏典に基づく派の『大乗非仏説』が大きく勢…

dukkha(苦)の語源

マニカナに貼られていたサイトに、dukkhaの語源について書かれたものがあり、私の疑念が晴れましたので、ここに触れます。 私は著書『仏陀の真意』にこう書きました。 部派仏教になってからは、「dukkhaとは苦しみという意味ではない。空しいとか無価値とい…