中部経典の第9は『正見経』です。
この経典は、『正見』について、真正面から説き明かしたものです。
正見のある者になるにはどうしたらいいのか、という問いかけに対する答えです。
1,善・不善の法を知ること
2,四食を知ること
3,四諦を知ること
4,十二縁起を知ること
5,煩悩と煩悩の生起(無明から起こる)と煩悩の滅尽(無明の滅尽から起こる)と煩悩の滅尽に至る道(八正道)を知ること
この中でわかりにくいのは、2の四食です。
四食とは、
1,物質食
2,接触食
3,意思食
4,意識食
の4つです。
私たちが〈食〉と呼んでいるのは、1,の物質食です。
接触食は、眼触などの六触で、苦受・楽受・非苦非楽受を運ぶものです。
意思食は、有漏の善悪の意思で、三有(欲有・色有・無色有)を運ぶものです。
意識食は、結生識で、結生の名色を運ぶものです。
ですから、物質食以外は、十二縁起の項目と重なります。