中部経典の第6は、『希望経』です。
『希望』という仏教にはあまり出ない言葉で語られます。
どのような希望でしょうか。
『尊敬される者になりたい』『衣や食や臥坐所や医薬品を得るものになりたい』『親族や死者たちに大きな功徳があってほしい』『恐怖を征服したい』『四禅を得たい』『解脱の境地に住みたい』『悟りに赴く者になりたい』『六神通を得たい』というような希望です。
神通力は、神足通、天耳通、他心通、宿住智、天眼智、漏尽智がそれぞれ挙げられ、その神通力を得たいと希望するならば・・としています。
仏陀在世の時代の仏教は決して神通力を得たいと希望することを排除していません。
それどころか、仏陀が使った神通力の様子は縦横無尽に出てきます。(マハーヴァッカなど)
さて、上のようなことを希望するなら、どうしたらいいのでしょう。
【もろもろの戒を充分に満たし、自己の心の寂止に努め、禅を疎かにせず、観をそなえ、もろもろの空屋の増益者になることです】と説かれます。