十二縁起の話題が出たので、手元の仏教解説書などを無作為に見てみると、驚くことにほとんど十二縁起を解説したものがないですね。
田上太秀『仏教の真実』、植木雅俊『仏教、本当の教え』、中村元他『ブッダの人と思想』、ワールポラ・ラーフラ『ブッダが説いたこと』、早島鏡正『ゴータマ・ブッダ』など、アトランダムに開いてみましたが、十二縁起の解説は一冊もなかったです。
仮にあったとしても、原始仏典を無視して、ただ勝手に十二個の項目を脈絡もなく訳しただけのものばかりであり、到底、瞑想できるものではありません。
十二縁起は、仏陀が成道の時に瞑想した極めて重要な法です。
その解説が正しいかどうかは、まずは、縁起の公式に当てはまるかどうかを見なければいけません。
そして、その解釈で本当に、識と名色の間にだけ相依性が成立するかどうか、を見なければいけません。
次に、相応部経典の分別の部の記載と相違がないかを見なければなりません。
次に、十二縁起の順番通りで矛盾がないか、を見なければいけません。
十二個の項目を一つずつ勝手に解釈するのは簡単なのですが、
今までのどの解釈にも納得できなかったのは、
①十二個すべてが縁起の公式に当てはまるか
②識と名色の間にだけ相依性が成立するか
③相応部経典の分別の部と矛盾しないか
④十二縁起の順番通りで矛盾が生じないか
この4つをすべてクリアする解説はただの1つもなかったからです。
私の出した解答は、『仏陀の真意』に書きました。