仏陀は、中部経典『行生経』において、生まれかわりたい者に生まれかわるための方法を説いています。
例えば、『どうか、私は、身体が滅ぶと、バラモン大富豪の仲間に生まれかわることができますように』という願いを叶えるための行法です。
つまり、仏陀は、現在の想い=kammaによって、未来の身体、環境を形作ることが出来ると考えていたのです。
色界の想いから、無色界の想いまで説き進めます。
非想非非想処までは、それぞれの境涯、例えば非想非非想処天などに生まれ変わります。
そして、最後、煩悩の滅尽、煩悩の解脱、慧による解脱に至ったときは、『この比丘はいかなるところにも生まれかわることがありません』と説きます。
ここで説かれているのは、もろもろの行の再生ということ。
つまり、sankharupapatti ということ。
生けるもの(有情 satta)の再生でもなく、人(posa)の再生でもない。
ここが重要です。
功徳行によって生存に至るもろもろの蘊の再生ということです。
このように、善なる行為(想い)、悪なる行為(想い)はどちらも、蘊を再び集める作用をするということです。