中部経典の第61は、『アンバラッティカ・ラーフラ教誡経』です。
仏陀が、ラーフラに説いた教えです。
ラーフラは、仏陀の実子です。
密行第一と言われている弟子です。
まずは、わずかな水が入った容器を指し示します。
『故意の嘘に対して恥のない者の沙門性(samana-dhamma)はこのように少しのものでしかありません。』
その水を捨てます。
『故意の嘘に対して恥のない者の沙門性(samana-dhamma)はこのように捨てられています。』
その容器を倒します。
『故意の嘘に対して恥のない者の沙門性(samana-dhamma)はこのように倒されています。』
その容器を起こします。
『故意の嘘に対して恥のない者の沙門性(samana-dhamma)はこのように空でなにもありません。』
『故意の嘘に対して恥のない者には、誰であれ、行ない得ない悪がない
それゆえに、〈私は戯れにも嘘をつかないようにしよう〉と学ぶべきです』
そして、この後、
『鏡が観察を目的とするものであるように、自分の身の行為、語の行為、意の行為が、〈この行為は、自己を害したのではないか。他者を害したのではないか。この行為は、不善のもの、苦を生むもの、苦の果のあるものではないか〉と観察すべきである。』と説きます。