中部経典の第31は、『小ゴーシンガ経』です。
仏陀の弟子である3人の尊者が住み、そこで仏陀の説法が行なわれたのが、ゴーシンガのサーラ森林と呼ばれる森であったので、題名にゴーシンガがついています。
3人の尊者、アヌルッダとナンディヤとキミラがいるところに仏陀は行きます。
そして、仏陀は3人に問いかけます。
『元気であろうか?』
『食べ物は得やすいか?』
『争いなく和合し、敬愛の眼で見て住んでいるか?』と。
答えて言います。
慈しみのある身業
慈しみのある語業
慈しみのある意業を確立しています。
そして、日常生活では、声を出すことなく、手で合図して意思疎通していると。
また、5日ごとに、夜を徹して法話のためにともに坐っている、と。
仏陀は聞きます。
『安楽な住まいというものはありますか?』と。
答えて言います。
第一禅に達して住んでおります。
第ニ禅に達して住んでおります。
第三禅に達して住んでおります。
第四禅に達して住んでおります。
空無辺処に達して住んでおります。
識無辺処に達して住んでおります。
無所有処に達して住んでおります。
非想非非想処に達して住んでおります。
想受滅に達して住んでおります。
慧によって見、煩悩は滅尽しています。
これが安楽な住まいです。
この対話の後、
神々が口々に讃えていった。
『ヴァッジ国に住む人は利得がある。世尊が来られ、3人の尊者が住んでおられるから。』
仏陀は言われた。
その通りです。
その家が、かれら三人に対し浄心をもって念じ続けるならば、その家には長く利益と安楽があるはずです。
その村が、かれら三人に対し浄心をもって念じ続けるならば、その村には長く利益と安楽があるはずです。
その町が、かれら三人に対し浄心をもって念じ続けるならば、その町には長く利益と安楽があるはずです。
その都市が、かれら三人に対し浄心をもって念じ続けるならば、その都市には長く利益と安楽があるはずです。
その地方が、かれら三人に対し浄心をもって念じ続けるならば、その地方には長く利益と安楽があるはずです。
すべての王族が、かれら三人に対し浄心をもって念じ続けるならば、そのすべての王族には長く利益と安楽があるはずです。
すべてのバラモンが、かれら三人に対し浄心をもって念じ続けるならば、そのすべてのバラモンには長く利益と安楽があるはずです。
すべての庶民が、かれら三人に対し浄心をもって念じ続けるならば、そのすべての庶民には長く利益と安楽があるはずです。
すべての隷民が、かれら三人に対し浄心をもって念じ続けるならば、そのすべての隷民には長く利益と安楽があるはずです。
神々や魔や梵天を含む世界が、かれら三人に対し浄心をもって念じ続けるならば、その神々や魔や梵天を含む世界には長く利益と安楽があるはずです。