仏陀の教説から見て、私が最も疑問に思うのは
なぜ仏陀は、死の直前、自分の遺骨を納める塔(ストゥーパ)を作り礼拝するように言ったのか、ということです。
仏陀の教説からして、『肉体は私ではない』ということがその根本です。
また、火葬して遺灰を川に流すのがインドの風習です。
今でもヒンドゥー教徒は遺灰を川に流して墓を作らないと言われています。
肉体が仏陀でないのですから、遺骨も仏陀ではありません。
仏陀の教説からすればなおさら、遺灰は川に流して跡形もなくすように言い残すほうが自然に感じます。
しかし、仏陀はアーナンダに対し、
『アーナンダよ。世界を支配する帝王の遺体を処理するのと同 じように、修行完成者の遺体を処理すべきである。四つ辻に、 修行完成者のストゥーパをつくるべきである。誰であろうと、 そこに花輪または香料または顔料をささげて礼拝し、また心を 浄らかにして信ずる人々には、長いあいだ利益と幸せが起るで あろう。』
と言います。
これは、解明しなければいけない『謎』です。