2023-12-27から1日間の記事一覧

清水俊史著『ブッダという男』 ⑥(ブッダは平和主義者だったのか)

この著者の『ブッダは平和主義者だったのか』という問いかけは、仏陀のみならず仏教界全体への言及がされていて興味深いものです。 著者は言います。 ※※※※※ 仏教は慈悲の教えであるーそう多くの仏教者が口を揃えて言う。 だが、長い歴史の中で、仏教が殺生や…

清水俊史著『ブッダという男』 ⑤(階級差別について)

カースト制度について この本でも取り上げられている仏陀の言葉があります。 パセーナディ王『四つの階級に差別はあるのでしょうか』 仏陀『私は、解脱には、何ら違いはないと説きます』 仏陀の考えはこの言葉に尽きていると思います。 カースト制度批判が、…

清水俊史著『ブッダという男』 ④(男女差別について)

さて、この『ブッダという男』という本の世間への最大の売りは、最近のブッダ研究が近代的価値観にあてはめて、ブッダは平和主義者で階級差別や男女差別を否定した先駆的人物としてきたことへの批判です。 それらの装飾を剥ぎ取ろうということのようです。 …