備忘録(68経~70経)

中部経典第68経『ナラカパーナ経』

出家した善家の息子たちがなすべきこと。

五蓋(欲貪、怒り、沈鬱眠気、浮つき後悔、疑い)という不善の法を離れ

不善の法を離れた喜と楽(第一禅・第二禅)に、そしてそれより寂静なる第三禅・第四禅に到達すべきである。

次に、阿羅漢果、不還果(化生者)、一来果、預流果の授記が説かれる。

 

 

中部経典第69経『ゴーリヤー二経』

森に住むゴーリヤー二比丘が僧団に住むことになったとき、その心得を舎利仏が説いたもの。

1,仲間を尊敬すること

2,座のマナー

3,行儀作法

4,早すぎて村に入らず、昼を過ぎて村に入らない

5,食前や食後に家庭を訪ねない

6,浮つきと動揺をしない

7,饒舌がない

8,悪語でなく善語者となる

9,感官の門を守る

10,食事の量を知る

11,覚醒に努める

12,努力精進する

13,念を確立

14,心を統一

15,慧を備える

16,勝法、勝律について実践

17,無色なる解脱の実践(四禅・四無色定)

18,超人法=出世間法の実践

 

 

中部経典第70『キーターギリ経』

 

この経典は、 仏陀が『一時食は無病息災に導く』として勧めているにもかかわらず、『自分は非時に食事しているけど無病息災だ』と言い張って非時食を止めない比丘に対しての説法です。

 

この経典で重要なのは、両分解脱、慧解脱、信解脱などが説かれていることです。

 

1,両分解脱  無色の解脱(色界と無色界の八解脱)に身をもって触れて住みます。

        しかも、慧をもって見て、もろもろの煩悩は尽くされます。

 

2,慧解脱  無色の解脱(色界と無色界の八解脱)に身をもって触れずに住みます。

       しかし、慧をもって見て、もろもろの煩悩は尽くされます。

 

3,身証明  無色の解脱(色界と無色界の八解脱)に身をもって触れて住みます。

       慧をもって見て、一部分の煩悩は尽くされます。 

 

4,見到達  無色の解脱(色界と無色界の八解脱)に身をもって触れずに住みます。

       慧をもって見て、一部分の煩悩は尽くされます。

 

5,信解脱  無色の解脱(色界と無色界の八解脱)に身をもって触れずに住みます。

       慧をもって見て、一部分の煩悩は尽くされます。

                         如来に対する信仰が定まり、根付き、確立します。

 

6,随法   無色の解脱(色界と無色界の八解脱)に身をもって触れずに住みます。

       慧をもって見て、一部分の煩悩は尽くされません。

       如来によって説かれたもろもろの法がわずかに受け入れられます。

       信根、精進根、念根、定根、慧根の法があります。

 

7,随信   無色の解脱(色界と無色界の八解脱)に身をもって触れずに住みます。

       慧をもって見て、一部分の煩悩は尽くされません。

       如来に対する信仰があり、親愛があります。

       信根、精進根、念根、定根、慧根の法があります。

 

 

この7種の人のうち、両分解脱 と慧解脱の人には、『不放逸によってなすべきである』とは言いません。

その他の5種の人に対しては、『不放逸によってなすべきである』と言います。

 

最初から完全智の成就があるわけではなく、順々の実践が完全智の成就になります。

 

信仰⇒近づき⇒恭敬⇒耳の傾き⇒聞法⇒法の記憶⇒意味の考察⇒法の認容⇒意欲⇒敢行⇒考量⇒励み⇒身をもって最上の諦を目の当たりに見ます⇒慧をもってそれを洞察し観ます