中部経典の第50は、『降魔経』です。
この経典もわかりづらい内容です。
神通第一の弟子マハーモッガッラーナ(大目連)に悪魔が憑いて悩ませているという内容です。
過去七仏の第4のカクサンダ世尊のときの話をします。
そのときも、その悪魔は、バラモン資産家たちに憑依して、カクサンダ世尊の弟子の比丘を罵倒し誹謗します。
そのとき、カクサンダ世尊は弟子に向かって言います。
そなたたちは、
慈しみのある心をもって、一つの方向を、同じく二つの方向を、同じく第三の方向を、同じく第四の方向を、満たし、住みます。
このようにして、上を、下を、横を、一切処を、一切を自己のこととして、すべてを含む世界を、慈しみのある、広い、大なる、無量の、恨みのない、害意のない心をもって、満たし、住みなさい。
憐れみのある心をもって、一つの方向を、同じく二つの方向を、同じく第三の方向を、同じく第四の方向を、満たし、住みます。
このようにして、上を、下を、横を、一切処を、一切を自己のこととして、すべてを含む世界を、憐れみのある、広い、大なる、無量の、恨みのない、害意のない心をもって、満たし、住みなさい。
喜びのある心をもって、一つの方向を、同じく二つの方向を、同じく第三の方向を、同じく第四の方向を、満たし、住みます。
このようにして、上を、下を、横を、一切処を、一切を自己のこととして、すべてを含む世界を、喜びのある、広い、大なる、無量の、恨みのない、害意のない心をもって、満たし、住みなさい。
平静のある心をもって、一つの方向を、同じく二つの方向を、同じく第三の方向を、同じく第四の方向を、満たし、住みます。
このようにして、上を、下を、横を、一切処を、一切を自己のこととして、すべてを含む世界を、平静のある、広い、大なる、無量の、恨みのない、害意のない心をもって、満たし、住みなさい。
次に、その悪魔は、またバラモン資産家たちに憑依して、今度は比丘たちを尊重し供養しました。比丘たちはその喜びによって心に異変が起こるように。そのバラモン資産家たちは死後は善道の天界に生まれた。
そこで、カクサンダ世尊は弟子に向かって言います。
そなたたちは、
身体について不浄を観つづけ
食べ物について厭逆の想をもち
あらゆる世界について不快の想をもち
あらゆる行について無常を観つづけて、住みなさい。
その悪魔は、子供に憑依し、弟子の比丘の頭に一撃を加え、頭を割りました。
ここでカクサンダ世尊は、『この悪魔は際限を知らない』と感じて眺めた。
それと同時に、その悪魔は大地獄に生まれかわった。