中部経典『小受法経』

中部経典の第45は、『小受法経』です。

 

四つの法の引き受けについての説法です。

 

1、現在に楽があり、未来に苦果がある

2、現在に苦があり、未来に苦果がある

3、現在に苦があり、未来に楽果がある

4、現在に楽があり、未来に楽果がある

 

 

1の『現在に楽があり、未来に苦果がある』とは、欲望のまま、煩悩のままに快楽を貪ることです。

この蒔いた種は、誰も引き取ってはくれず、すべて自分の苦果になります。

死後、苦処・悪道・破滅の地獄に生まれかわります。

 

2の『現在に苦があり、未来に苦果がある』とは、種々の身体的な難行苦行を行なうことです。

これも間違っているために、死後、苦処・悪道・破滅の地獄に生まれかわります。

 

3の『現在に苦があり、未来に楽果がある』とは、貪り・怒り・愚痴の多い性質の人間が、そのような煩悩から来る苦しみを甘受しながら、泣きながらでも、完全な梵行を行ないます。

かれは、死後、善道の天界に生まれかわります。

 

4の『現在に楽があり、未来に楽果がある』とは、貪り・怒り・愚痴の強い性質のない人間が、もろもろの欲を確かに離れ、もろもろの不善の法を離れ、大まかな考察のある、細かな考察のある、遠離から生じた喜びと楽のある、第一の禅に達して住みます。

大まかな考察、細かな考察が消え、内心が清浄の、心の統一された、大まかな考察、細かな考察のない、心の安定より生じる喜びと楽のある、第二の禅に達して住みます。

喜びを離れていることから、平静をそなえ、念をそなえ、正知をそなえて住み、楽を身体で感じ、聖者たちが『平静をそなえ、念をそなえ、楽に住む』と語る、第三の禅に達して住みます。

楽を断ち、苦を断ち、以前にすでに喜びと憂いが消滅していることから、苦もなく楽もない、平静による念の清浄のある、第四の禅に達して住みます。

かれは、死後、善道の天界に生まれかわります。