中部経典『小苦蘊経』

中部経典の第14は、『小苦蘊経』です。

 

この経の前半は、第13の『大苦蘊経』と同じことを語っています。

『大苦蘊経』との違いは、後半のニガンタ(ジャイナ教徒)たちとの問答です。

 

仏陀がジャイナ教徒に『なぜあなたたちは苦行するのか?』という意味のことを問いかけます。

ジャイナ教徒は、『楽は楽によっては到達できない。楽は苦によって到達できる』

『もし、楽が楽によって到達できるならば、ビビサーラ王はゴータマ尊者より楽に住んでいるはずです。』

と答えます。

 

それに対し、仏陀はこう答えます。

『私は身体を動かすこともなく、言葉を発することもなく、一昼夜ないし七昼夜の間、もっぱら楽を享受し、住むことができます。

ビンビサーラ王と私とどちらが楽に住んでいると思いますか?』