前に、大般涅槃経(大乗涅槃経も同じ題名なので、区別するためパーリ涅槃経という)の仏陀のメッセージによって、後に大乗仏教が興ったと書きました。
そして、『大獅子吼経』でも、同じ感想を持ちます。
『大獅子吼経』も、パーリ涅槃経と同じく、仏陀80歳の入滅の年に仏陀が語ったことが書かれています。
それまで仏陀は、自らの智慧や神通力を誇示することはありませんでした。
しかし、入滅の年に、自らの智慧の全貌を打ち明けます。
そして、こう言います。
サーリプッタよ、もし正しく語る者がいて
『迷妄のない生けるものが、多くの人々の利益のため、多くの人々の安らぎのため、世界への憐れみのために、人天の目的のため、利益のため、安らぎのために、世界に現れている』と語るならば
それは、私についてのみ正しく語っているのです。
これは、法華経方便品の一大事因縁故出現於世そのままです。
仏陀はその入滅の年に、自らの真意の全貌を明かしたと思います。
そして、そのメッセージを正しく受け取った後世の比丘たちが大乗仏典を作り上げていったということでしょう。
この発見によって、仏陀の真意と大乗仏典が繋がりました。