瞋(dosa)とは

瞋(dosa)は、苦受から生まれます。

苦受とは、不快な感受です。

苦受が苦受の記憶となり、嫌悪となります。

苦受の対象を嫌悪し、避けよう、防御しようとする働きになります。

本来自由な精神に、嫌悪の壁が次々と立てられていきます。

その嫌悪の壁から成る閉鎖空間に閉じ込められてしまうのです。

束縛されてしまうのです。

 

嫌悪するものを排除しようとすることから、嫌悪が憎しみや怒りになることがあります。

ですから、瞋(dosa)を怒りと訳すことも多いですが、本来は嫌悪でしょう。

 

貪(raga)と瞋(dosa)は、正反対の感情ですが、どちらも自由な精神を束縛してしまうのです。