仏陀が説いた『縁起』とは何でしょうか。
今の仏教の『縁起』は、龍樹が作り上げた解釈です。
仏陀が説いた縁起と、龍樹が作り上げた縁起の理論は全く違います。
歴史上の仏陀が説いた『縁起』とは、苦の縁って起こる原因のことです。
仏陀は、苦の消滅のみを求め続けました。
仏陀は出家した後、苦の原因を探求していきました。
そして、『縁起の公式』と呼ばれるものを発見しました。
AがあればBがあり、Aが生じるが故にBが生じる。
AがなければBはなく、Aが滅するが故にBが滅する。
これが『縁起の公式』です。
Bの直接原因、根本原因、です。それがAです。
なぜ、そのようなものを知りたいのでしょうか。
それは、Bを滅するためです。
Bを滅するためには、Aを見つけ、Aを滅すればいいと考えたのです。
つまり、縁起の法とは
Aがあれば苦があり、Aが生じるが故に苦が生じる。
Aがなければ苦はなく、Aが滅するが故に苦が滅する。
このようなAを発見するためのものでした。
そして、仏陀は、四禅定の後、宿命智、天眼智、漏尽智の三明によって、因果の法、四諦十二縁起の法を悟ります。
過去生を俯瞰して見ることによって根本原因たるAを発見したのです。
まず、四諦の法によって、煩悩を滅します(漏尽智)
そして、その7日後に十二縁起を観じて、縁の滅を成し遂げ、すべての疑念が消滅し、太陽のように一人立つことになります。