悟って7日目に十二縁起を観じた理由

仏陀は、このように、宿住智、天眼智、漏尽智の三明によって、菩提樹下で悟りを開きました。

そして、菩提樹下において、7日間、結跏趺坐したまま解脱の楽しみを味わっておられました。

7日目の夜に、仏陀は十二縁起を順逆観じます。

 

十二縁起は、宿住智と天眼智によって、四諦とともに導かれた理法です。

漏尽に際しては、四諦の法を観じました。

そして悟った後7日目に十二縁起の理法を観じたのです。

 

これは何を意味するでしょうか。

 

四諦の苦諦は、煩悩を滅尽する強力な法です。

 

そして、十二縁起は、苦の原因たる自我の成り立ちを徹底的に観ずる理法です。

悟った後、我塊を徹底的に滅尽する理法として十二縁起があったと考えます。

 

禅定だけ修行して悟ったと思い込む人が禅宗を中心に多いですが、それでは我塊はそのままです。

我塊とは、記憶の束、そして私があるという感覚です。