英国王であっても

強い欠如感は恵まれない環境で育った人が抱くものと考える人もいますがそうではありません。

映画『英国王のスピーチ』では、国王の息子でのちに国王ジョージ6世になる人は吃音だったのですが、生まれつきではなく、5歳くらいの時の体験、例えば、左利きを右利きに強制的に直させられたとか、乳母のいじわるとかによって、強いストレスを抱え、吃音になったことが明かされていきます。

当時の英国は、オーストラリアやニュージーランド、カナダ、インドなどを属国にしていた大英帝国の時代ですから、世界でもトップクラスの極めて恵まれた環境です。自己重要感の欠如など体験しそうにもない環境ですが、この例を見ても、人間は誰でも、欠如感を抱えて生きるということです。