仏陀の教えの根幹は

高原 (121.109.220.213) 2023-09-25 05:08:28 ショーシャンクさん、こんにちわ。 新領解文は、今は辞められている門主の方が書かれたものですね。 知識が足らずに申し訳ありません。 親鸞については太宰治と同じように自虐的というか、自らを貶めて「苦しい…

檀家制度にあぐらをかく日本仏教

高原 (121.109.220.213) 2023-09-20 21:13:33 ショーシャンクさん、ご無沙汰しております。お久しぶりです。 今回の新しい領解文の発見は、これまでずっと隠されていた文書を明らかにすることで、浄土真宗の幹部クラスの方でしょうが、あえて世に問われたん…

『領解文』と『新しい領解文』

浄土真宗本願寺派において、江戸時代の三業惑乱以来の大騒動になっているのが、『新しい領解文』問題です。 【領解文】 もろもろの雑行雑修自力のこころをふりすてて、一心に阿弥陀如来、われらが今度の一大事の後生、御たすけ候へとたのみまうして候ふ。 た…

難の中の難

原始仏教や聖道門は難行で誰も救われない教えで、親鸞の教えつまり浄土真宗は易行道、容易く救われる道ということばかり売り物にしている人がいました。 私は、法然の教えは易行道だけど親鸞の教えは法然の教えを難中の難にしたと思ってきました。 最近、い…

浄土教の起源

エドワード・コンゼの『仏教ーその教理と展開』によると、 『紀元前400年以後、バクティの運動がインドに起こり、紀元の初め頃、非常な勢力を得た。バクティとは、人間の形をした尊敬さるべき神々にたいし、信愛を込めて個人的に帰依することである。イン…

Amazonレビューについての考察

Sadaisa 5つ星のうち3.0 著者はよく調べておられるようであるが、日本の一般人向けの本ではない 2023年4月26日に日本でレビュー済み 著者はパーリ語まであたって初期仏教の教義を詳しく調べていらっしゃるようです。 その教義は勿論、大乗仏教とは大きく異な…

これも矛盾点

www.youtube.com また、この浄土系のYouTubeの中で、 親鸞の『教行信証』の『雑心なる者は、大慶喜心を獲ず』を挙げて、「不思議な弥陀の救いに値っていないから、大慶喜心が起きないのである。」という意味だと解説しています。 同じく『教行信証』の『広大…

誰でも簡単なら何故?

ある、親鸞系の人のYouTubeを見ていて、疑問に思ったことを書いておきます。 その人は無量寿経などの浄土三部経を、仏陀の出世の本懐だとし、最高最深だとします。 それはいいのです。 大乗仏教の場合、不立文字を標榜する禅宗以外は所依の経典を立てます。 …

法華経嘱累品『余深法中 示教利喜』について

www.youtube.com 法華経嘱累品にこうあります。 若有衆生 不信受者 当於如来 余深法中 示教利喜 この一文をもって、 『法華経を信じることができない衆生には、深法が説いてある如来の他の経典を示して導きなさい』という意味だと解説しているYouTubeがあり…

『インド大乗仏教の虚像と断片』第3章「仏陀の遺骨と比丘の仕事」

第3章では、大乗仏典の内、全く流布されなかった経典『摩訶迦葉会』について考察しています。 この大乗経典において、比丘の仕事は2つ、瞑想と読誦だとされます。 それなのに、菩薩乗を信奉するある比丘たちや、声聞乗を信奉するある比丘たちは、食や衣や…

提婆達多の謎

提婆達多は、増一阿含経では、仏弟子でありながら仏陀を殺そうとした大悪人とされています。 しかし、5世紀にインドを旅した法顕によると、その時には、提婆達多の教団はネパール国境付近で存続していたと言います。 つまり、提婆達多派の教団は、仏陀のサ…

『インド大乗仏教の虚像と断片』第2章「金剛般若の「その地点は塔廟となるだろう」という成句」

第2章では、多くの大乗仏典において、遺骨崇拝を批判し、経典崇拝を優位にしていると結論しています。 ただ、法華経は遺骨崇拝と経典崇拝を同等に見ているとの指摘です。 遺骨崇拝批判は法華経より前の時代に成立した経典群に見られるのに対し、法華経はス…

『インド大乗仏教の虚像と断片』第1章「大乗とインド仏教中期」

グレゴリー・ショペンの『インド大乗仏教の虚像と断片』は、第一章から衝撃的な結論を導き出します。 そのほとんどは、『大乗仏教興起時代 インドの僧院生活』でも述べられていることでしたが、第1章の最後にこうあります。 ※※※※※ われわれは大乗がインドの…

グレゴリー・ショペン『インド大乗仏教の虚像と断片』

グレゴリー・ショペン『インド大乗仏教の虚像と断片』について、書いていきます。 まずは、大まかな目次の紹介と、それから、具体的な内容について考察していきます。 おおまかなあらすじは次の通りです。 ※※※※※ この四半世紀でもっとも影響力のある仏教学者…

何故インドで仏教は滅びたのか

インドで発祥した仏教ですが、発祥の地インドではいったん仏教は滅んでいます。 現代になって日本人僧侶がカースト下位の人たちのために仏教を布教し仏教徒は少しずつ増えているようですが、やはりヒンドゥー教徒がほとんどで仏教徒はごく少数(1%未満)に…

出版業界について

本の価値とはどういうものでしょうか。 映画業界を喩えとしてみます。 現在、映画で名作と言われる作品は、制作費や広告宣伝費を膨大にかけたメガヒット作品にはほとんどありません。 例えば、今でこそ、名作中の名作と言われる『ショーシャンクの空に』です…

宗教知識でマウントする愚かさ

マニカナでミチオという者がデタラメを書いていますね。 私が、『自分の隣に証券会社の社長がいる』という投稿をして、金持ちアピールしたとのこと。 全くの嘘です。 証券会社の社長でも支店長でもただの営業マンでも、来ているとか、商談しているとか、一度…

『仏陀の真意』第2章「仏陀の言葉の本当の意味」第13項『戒律』

【戒律】 最初期の仏教においては、戒律はたったひとつだけでした。 少なくとも、仏陀の弟子が1250人を超えるまでは、具足戒はひとつでした。 舎利弗と目連が250人を引き連れてやってきて弟子入りしたときも、仏陀に『尊いお方よ、私たちは幸あるお方…

『仏陀の真意』第2章「仏陀の言葉の本当の意味」第12項『天上天下唯我独尊』

【天上天下唯我独尊】 仏陀は生まれてすぐに七歩歩いて『天上天下唯我独尊』と言ったという伝説があります。 『天上天下唯我独尊』の意味は、長らく仏教者が悩む原因となりました。 生まれて初めて口にした言葉とされ、しかし、その意味通りに解釈すると『こ…

『仏陀の真意』第2章「仏陀の言葉の本当の意味」第9項『中道』

【中道】 初転法輪のときに、苦行の道でもなく快楽の道でもなく、中道を行く、と説かれます。このことから、中道とは、苦行と快楽の中間の道のことだと思う人が多いです。極端な禁欲生活でもなく、極端な快楽耽溺でもない、その中間のほどほど禁欲、ほどほど…

『仏陀の真意』第2章「仏陀の言葉の本当の意味」第6項『煩悩』

【煩悩】 一般的には、煩悩とは欲望のことだと思われています。 欲望をなるべく少なくしていくこと、足るを知るということが煩悩をなくしていくことだと言う人は多いです。 ところが本能も欲望です。食欲を否定すると死んでしまいますし、性欲を否定すると人…

『仏陀の真意』第2章「仏陀の言葉の本当の意味」第5項『空』

【空】 今の仏教の根本教理と見なされ最も重要視されている【空】ですが、実は、歴史上の仏陀はあまり説いていません。 最古層の仏典『スッタニパータ』で【空】が説かれているのは 【つねによく気をつけ、自我に固執する見解をうち破って、世界を空なりと観…

『仏陀の真意』第2章「仏陀の言葉の本当の意味」第4項『縁起』

【縁起】 現代の日本で『縁起』と言えば、宗派を超えて、次のような意味に解され、説かれることが多いです。 『私たちは自分以外の無数の存在に生かされている。だから自分なんてない。家族や会社や近所の人たちは当然だけど、今食べている米や野菜を作って…

枯渇している人には

マニカナで、凡人さんという私は初めてお見かけした人が、私の著書『仏陀の真意』を紹介してくださっています。 もちろん、とても有り難いことなのですけど、実は私は、実社会でも、自分が仏教の本を出版したことはほとんど言っていません。 仏教に興味のな…

在庫切れについて

いま、私の著書『仏陀の真意』が、Amazonにて在庫切れとなって1週間以上経っており、ご質問のメールをいくつかいただいております。 出版社に問い合わせたところ、6月28日には、Amazonにも在庫がある状態になるとのことです。 現在、Amazonを見ると、中…

十二縁起は解明されてこなかった

十二縁起の話題が出たので、手元の仏教解説書などを無作為に見てみると、驚くことにほとんど十二縁起を解説したものがないですね。 田上太秀『仏教の真実』、植木雅俊『仏教、本当の教え』、中村元他『ブッダの人と思想』、ワールポラ・ラーフラ『ブッダが説…

十二縁起の真実

たま (153.242.203.5) 2023-06-20 19:09:48 とても参考になるブログです ありがとう御座います たまさん、はじめまして、ですかね? コメント、ありがとうございます。 十二縁起につき補足しますと、 Aがあれば Bがあり Aが生じるが故に Bが生じる Aが…

十二縁起とは

id:Nirala 2023-06-19 19:49:42 ショーシャンク様はじめまして、niralaといいます。 今日、心解脱、慧解脱をググっていて此方のblogへたどり着きました。 ショーシャンク様は、相当な努力をされ学ばれたんだと思われます、 そのような方のblogを読ませていた…

大乗仏教側の主張について

仏教は、古くから、大乗仏教側からの『小乗仏教蔑視』と部派仏教からの『大乗非仏説』という構図で対立してきました。 近年は、文献学の発展により、どの仏典がより古層かということが明らかになってきており、原始仏典に基づく派の『大乗非仏説』が大きく勢…

dukkha(苦)の語源

マニカナに貼られていたサイトに、dukkhaの語源について書かれたものがあり、私の疑念が晴れましたので、ここに触れます。 私は著書『仏陀の真意』にこう書きました。 部派仏教になってからは、「dukkhaとは苦しみという意味ではない。空しいとか無価値とい…