2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

自費出版に取り掛かります

前から言っていて、しかしみずからの怠け性のために遅々として進まなかった自費出版ですが、これから原稿に本格的に取り掛かりたいと思います。 人間の命というのはいつどうなるかわかりません。とりあえず形に残していれば、いつ死んでも思い残すことはあり…

中部経典『布喩経』

中部経典『布喩経』にこうあります。 世尊は、比丘たちにこう言われた。 『比丘たちよ、ここに穢れ垢づいた布があるとするがよい。 染物工がこれをとって、藍色に、黄色に、紅色に、あるいは茜色に染めようと、これを染め壺の中に浸したとするがよい。 その…

『料なり』とは

浄土真宗の寺院のホームページに載っていた仏教解説の一部を転載しました。 この寺院の住職が講義したレジュメのようです。 とてもよくまとめられたいいレジュメだと思います。 さて、ここで大きな疑問があります。 浄土真宗の宗祖親鸞は龍樹を大変尊敬して…

ある寺院による仏教史解説から 4

密教 部派仏教の時代には、呪句や呪術を僧侶が行うことを禁じていたが、世間一般で行われていた「治歯呪」や「治毒呪」「防蛇呪」といった護身のための呪句を唱えることは許容されていた。また、呪句ではないが、森で修行をする時に木霊などが邪魔をしないよ…

ある寺院による仏教史解説から 3

仏性と如来蔵思想と本覚思想 大乗仏教は「空」で「法無我」と「人無我」を説き、部派仏教で肯定的に受け止められていた「アートマン」(我)的なものをあらためて否定したが、唯識思想になると再び「アーラヤ識」という輪廻の主体を考えるようになった。輪廻…

ある寺院による仏教史解説から 2

2. 浄土思想 「空」は、この世界は本来清浄な仏国土であるが、その様に感じることが出来ないのは心が清浄ではないからであると説いている。しかし、この教えが事実であるとしても、現実にこのような境地に至ることができない者にとってはただの理論にしか過…

ある寺院による仏教史解説から 1

徳法寺という浄土真宗の寺院のホームページに、インド仏教史がわかりやすく書かれていたので一部を転載します。 ⬇⬇⬇ 1. 中観思想 - 空思想の展開 - 「空」とは、あらゆる事物(一切諸法)は固定的な実体を有しないという大乗仏教の基本となる思想である。…

主催者の判断ですが

くり (112.70.98.63) 2021-02-15 16:19:52 ショーシャンクさま。こんばんは。 >石飛先生は、サンスクリット語もパーリ語も読めて仏教以外のことにも造詣が深く、しかもユーモアがあって気さくな人柄ですので、閲覧だけしている人の中にも、話してみたい人は…

仏陀は、矢を抜き去る最上の人

スッタニパータ560に 『わたしは、矢を抜き去る最上の人である』という仏陀の言葉があります。 ダンマパダ275に 『矢を抜いて癒す方法を知って、わたしは汝らにこの道を説いたのだ』とあります。 感興のことばに 『人々は自我観念にたより、また他人と…

痴(moha)とは

痴(moha)は、正しい見解でないこと、邪見解から生まれます。 妄説や偏見などはすべて痴(moha)です。 私たちは実に様々な偏見に囲まれて生きています。 無意識にその偏見の虜となっています。 日本人は頭が良く他のアジア人は頭が悪い、という偏見を持つ…

瞋(dosa)とは

瞋(dosa)は、苦受から生まれます。 苦受とは、不快な感受です。 苦受が苦受の記憶となり、嫌悪となります。 苦受の対象を嫌悪し、避けよう、防御しようとする働きになります。 本来自由な精神に、嫌悪の壁が次々と立てられていきます。 その嫌悪の壁から成…

貪(raga)とは

煩悩の代表的なものは、貪瞋痴です。 わたしは、煩悩とは何か、でこう書きました。 『私は、煩悩とは束縛のことだと考えています。 精神の自由を束縛するもの、 本来の無量の精神を限定させるもの、 これが煩悩の本質です。 精神に苦をもたらすもの、それが…

いい雰囲気の掲示板にするには

くり (112.69.56.172) 2021-02-14 19:42:39 ショーシャンクさま、お返事ありがとうございました。 >私がマニカナに投稿し始めの時、春間さんがさかんに『縁起を見るものは私を見る』という言葉を書いてましたので、石飛先生に『「縁起を見るものは私を見る」…

マニカナが自由な討論の場になりますように

くり (112.69.54.251) 2021-02-13 14:44:29 ショーシャンクさま こんにちは。 >石飛先生は、芳和さんに対しては『仏典への尊敬がない』と注意していましたが、春間さんのこのような捏造には何も言いません。ダブルスタンダードです。 ここなのですが、石飛先…

龍樹以降の釈迦?

マニカナでの春間さんの投稿に驚きました。 ↓↓↓ > 龍樹がいなくても釈迦は釈迦。龍樹がいなければ、 龍樹以降の 釈迦はいない> 龍樹がいなくても仏典は仏典。龍樹以降の 仏典はない ↑↑↑ 何ですか、これは? 『龍樹以降の釈迦』?? 何を馬鹿なことを言ってい…

『火ヴァッチャ経』

中部経典『火ヴァッチャ経』にも、こうあります。 ヴァッチャ族の遍歴行者が釈尊に質問した。 『世界は永遠か、永遠でないか。』 『世界は有限か、無限か。』 『生命と身体は同一なのか、別なのか。』 『如来は死後存在するのか、存在しないのか。存在しなが…

煩悩とは何か

仏教用語に『煩悩』と言う言葉があります。 一般的には、煩悩とは欲望のことだと思われています。 欲望をなるべく少なくしていくこと、足るを知るということが煩悩をなくしていくことだと言う人は多いです。 ところが本能も欲望です。食欲を否定すると死んで…

涅槃に赴かないものは『無記』

マニカナに『「これは仏教の道にいく、これは仏教の道にはいかない」と知る能力』とありました。 『だから、「大乗仏教は、ブッダの言葉とは似ても似つかないから正しく仏教を伝えていない」という意見をいう人がいるならば、その意見それ自体が、処非処智力…

仏陀の弟子の自殺

高原 (126.66.155.7) 2021-02-10 19:34:07 ショーシャンクさん、こんばんは。 スッパニパータ 第二章 小なる章 十 精励(岩波版)のとこです。 panado rajo pamado (怠りは汚れである)の4行詩の一行目です。 直訳すれば3文字の文を、中村元氏は50字で日本語訳…

言語寂滅と言うのであれば

マニカナでの芳和さんや春間さんの投稿見ていて不思議に思うのは 『龍樹の「戯論(言語)寂滅」』ということをさかんに強調しているのに、結局、言葉に付いて回って、ただの言葉遊びのようにしか見えないことです。 相対とか絶対とか、実体があるとかないと…

『苦』は理解されなかった

仏教学者の佐々木閑が、『仏教は、この世で行きづらい人や生きるのが嫌になった人のために説かれた』『病院のようなものだ』と書いているらしいので、それについて書きます。 全然違います。 仏典を見ればわかることです。 仏陀が森にいたときに、30人の若…

仏陀の真意と部派仏教

高原 (126.66.155.7) 2021-02-08 18:41:39 ショーシャンクさん、返信、ありがとうございました。 「矢」のことをお話したのは、スマナサーラがスッパニパータの解説をしていて、「怠り」の説明にぼくが得心するする所があったからです。 pamado(怠り)は普通…

『私』が矢

高原 (126.66.155.7) 2021-02-06 22:08:38 ショーシャンクさん、こんにちわ。 「矢」について質問があります。 矢が刺されば、人は痛いので苦しみ、その矢を抜いて苦しみから救われようとします。 おそらく、一人の例外もなく矢は誰にでも突き刺さっているん…

涅槃に至った在家の例

くり (101.143.86.79) 2021-02-06 11:32:52 ショーシャンク さま おはようございます。 >しかし、原始経典には、在家者は解脱できないと説かれることの方が稀です。在家者でも解脱・涅槃に到達できるというのが原始仏教の基本的な立場です。 (原始仏典 中部…

仏陀は在家でも解脱できると説く

大乗仏教側は、歴史上の仏陀に関して極めて無知なために、様々な勝手なイメージを固く持っています。 原始仏教(年配者には小乗と呼ぶ人がいますが)は、出家でないと解脱できない教えだというのもその一つです。 しかし、原始経典には、在家者は解脱できな…

部派も大乗も毒矢の喩えに反している

毒矢の喩えによって、涅槃に役立たず苦の滅に役立たないものは仏陀は説かないことがわかりました。 世界の常住・無常、有辺・無辺などのことは、私はこれを説かない。 なにゆえ説かないのであるか。 実にそれは、道理の把握に役立たず、正道の実践に役立たず…

『毒矢の喩え』で仏陀が言いたかったこと

仏陀が言った『毒矢の喩え』は非常に有名です。 仏教を少しでも知っている人なら誰でも知っているほどです。 『毒矢に射られた人が、毒矢を射ったのはどんな人か、どのような弓で射ったのか、その矢はどんな形だったのか、それがわかるまでは毒矢を抜いては…

仏陀が説いた『縁起』とは

仏陀が説いた『縁起』とは何でしょうか。 今の仏教の『縁起』は、龍樹が作り上げた解釈です。 仏陀が説いた縁起と、龍樹が作り上げた縁起の理論は全く違います。 歴史上の仏陀が説いた『縁起』とは、苦の縁って起こる原因のことです。 仏陀は、苦の消滅のみ…

仏陀が説く『空』とは

今の仏教の根本教理と見なされ最も重要視されている【空】ですが、 実は、歴史上の仏陀はあまり説いていません。 最古層の仏典『スッタニパータ』で【空】が説かれているのは 【つねによく気をつけ、自我に固執する見解をうち破って、世界を空なりと観ぜよ。…

大乗仏教には筏がない

一郎 (112.68.9.2) 2021-02-03 17:28:33 ショーシャンクさん こんにちは、 初めまして 私は全くの仏教ド素人です ですが少しは関心があります(笑)。 そんなところからショーシャンクさんの当ページを拝見させて貰っています ありがとうございます。 その仏…